12番(大場秀樹君) 復興加速化・安全安心な県づくり特別委員長中間報告。
本委員会に付託されました付議事件は、「復興の加速化について」、「安全安心な県づくりについて」及びこれらに関連する事項であります。
本委員会は、令和3年12月21日に設置されて以来、鋭意調査に取り組んでいるところでありますが、前回の定例会における中間報告以降の活動状況について御報告申し上げます。
その後の経過といたしましては、11月7日から9日にかけて、県内8か所において現地調査を実施いたしました。
まず、避難地域の復興再生関係では、双葉町の復興のシンボルとなる基幹道路の整備状況、楢葉町の株式会社福島しろはとファームにおけるサツマイモの特産化を通した地域の復興の取組、田村市の株式会社ホップジャパンにおける地域資源のホップを生かした地域の復興の取組及び富岡町のふくしま12市町村移住支援センターにおける移住支援の取組について調査を行いました。
その中で、移住支援センターでは、センター長から、全国的に教育を目的に移住する教育移住も増えており、被災地には全国的にも知られているふたば未来学園などの魅力的な教育環境があるため、教育について特集を行い、情報発信をしていきたいとの説明がありました。
また、委員からは、移住促進の契機ともなる家賃の補助制度について、市町村間でばらつきがあるため、より制度の充実を図るべきとの意見がありました。
農林水産業の再生及び生産、消費者、暮らしの安全確保関係では、相馬双葉漁業協同組合における水産業の復興再生の状況、浪江町の株式会社ウッドコアにおける福島イノベーション・コースト構想に基づく林業の復興と脱炭素化の取組、二本松市のJAふくしま未来における食品の安全確保の推進やGAP取得の取組、南相馬市の株式会社飯崎生産組合における営農体制の整備やスマート農業の取組について調査を行いました。
その中で、委員からは、株式会社飯崎生産組合では、肥料の高騰化など様々な課題を抱える農業者が食料の安定供給のため、継続的に農業が営めるような価格保証が必要であるとの意見がありました。
本委員会といたしましては、これらの調査結果を今後の委員会審議に十分反映させてまいりたいと考えております。
次に、今定例会の12月19日に第6回委員会を開催し、付議事件「安全安心な県づくりについて」に関するこれまでの取組と現状等及び主要事業等について執行部から説明を受け、活発な質疑を重ねました。
その中で、委員からは、市町村の地域公共交通の維持確保に当たり、デマンド交通などの実証運行を通常運行に移行していくには市町村の負担が大きいため、モデル事例や優良事例があれば速やかに横展開を行い、通常運行への移行を支援する体制を築くべきとの意見がありました。
また、毎年のように大規模災害が頻発しており、被災経験を忘れないためにも、防災イベントの全県的な実施やマイ避難ノートの有効活用など、実践を通して防災意識の定着を図るべき等の意見がありました。
以上が前定例会後の調査経過であります。
続いて、本委員会の今後の取組について申し上げます。
慎重に審議いたしました結果、復興加速化・安全安心な県づくりにつきましては、極めて広範囲にわたる課題であり、今後とも相当の期間調査を要すると認められるため、全員一致をもって議会閉会中もなお継続して調査を行うことに決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。